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2012年05月01日

私と魚

私と魚
私は夢の中で、しばしば空を飛んでいる。かと思えば地の中のヘビの大群に向かって落ちて行く。
誰でも経験がある事でしょう、少なくとも鳥のように空を飛ぶ事は。
夢に見る鳥やヘビは人間の前世や祈りと深い関わりがあるとされていますが、私の場合は魚にも惹かれます。
魚のように水の中を自由に泳ぐ夢は見ないけれど、いや、もしかすると子どもの頃に見たかも知れない。朝、布団の中が洪水の時に・・・。
琵琶湖の西部、水に恵まれた土地で育った私は、河や湖をゆっくりと泳ぐ主の姿をよく夢に見た。大雨の後に、近くの河を登る大物の姿を見た時、夢の中でも見たような、はてさて夢だか現実だかが分からなくなる時すらあった。
河と湖で学ぶことは多かった、そんな環境で育つ子どもの成長を魚は見守っている。
特に鯉の存在は特別だった、子どもにとって、大きくどす黒い色の鯉は大人の存在そのもの。
大人になり近くに居ながら河や湖に対する意識がなくなったけど、魚への思いは続く。
結婚し、生活環境が変化しても金魚は飼い続けている。手のひらの大きさ程に育った金魚の存在は鯉のように厳つい。
この、アール・ヌーヴォーのスケッチでは、そんな魚への思いを雪の上を自由に滑走するスノーボードの板にしたためた。
厳しい自然の中で雪を蹴り上げ力強くカーブする姿。
深雪の上をハイドロプレーニング現象がごとく宙に浮く様に進む姿。まるで、そのトリックが板の鱗模様にあるかの様に描いた。また、ずっしりと重みのある存在感を狙って約半分の面積に黒からのグラデーションをかけた。
乗り手を選び、選ばれた者だけが乗る事を許される板。それは運動能力的な技術を見るのではなく、人間が自然への敬意がはらわれているか、心と身体の能力を板が見極める。
この板が雪山の主となり、雪上に滑走ラインを残し、やがて春が来ると主の描いたラインは雪と共に消え、冷山水となり河に流れ込み下流へ、そして湖に。
梅雨時 大雨の後、河に主が現れる。山と河の主が循環する。


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Posted by shirasaki at 08:14│Comments(0)アート
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